還暦のお祝いに贈る赤いちゃんちゃんこ。
親戚みんなが集まって、まだまだずっと
元気でいてほしいとお祝いをする・・・
昔は、そんなことをする習慣がありましたが
今ではそれが、薄れつつあります。
そのため、
60歳で還暦を迎えたときにお祝いとして
なぜ赤いちゃんちゃんこを贈るのか?
それがなぜ、赤色なのか?
・・・などを知らない人が、
多くいるのではないかと思います。
そこで、赤いちゃんちゃんこの意味を
知ってもらうためにと、
調べたことをまとめてみました^^
赤いちゃんちゃんこの意味とは?
ちゃんちゃんことは・・・
袖のない羽織のことを言います。
ちりめんや木綿などで、綿入れや
袷(あわせ)仕立てにした防寒着で、
袖がないので動きやすく、
着たり脱いだりするのにとても便利。
「でんち」「さるこ」とも言います。
その名前は江戸時代、金属製の打楽器である
鉦(しょう)を叩きながら、アメを
売り歩いた、清国人の服装から来ているそうです。
ちゃんちゃんこのポイントは、やはり
その目立つ「赤」という色ですが、
なぜ赤色なのでしょうか?
赤いちゃんちゃんこは、還暦のお祝いとして贈るもの。
じゃあ、「お祝い」だから、派手に赤色で
キメているのでは??
いいえ、違います。
赤色であることの意味は、
ちゃんとあるんですよ!
意味としては2つ。
1つは「赤ちゃんに還る」
もう1つは「赤は魔除けの色」というもの。
詳しく説明していきますね。
赤ちゃんに還るとは?
赤いちゃんちゃんこは、還暦のお祝いに
贈るものですが、そもそも還暦というのは、
60年で干支が一回りし、また最初の暦に
戻る(還る)という意味でそう呼ばれています。
そう聞くと、干支って12種類しかないのに、
60年ってどういうこと?と思われるでしょう。
確かに、一般的によく知られているのは
12匹の動物を使った干支ですが、
本当は、干支というのは、
- 十干(じっかん)
- 十二支(じゅうにし)
の2つを組み合わせて、形成されているんです。
干支の「干」は、十干のこと。
甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・
丁(てい)・戊(ぼき)・己(こう)・
庚(しん)・辛(じん)・壬(じん)・
癸(き)
干支の「支」は十二支のこと。
子・丑・寅・卯・辰・巳・
午・未・申・酉・戌・亥
十干の方は、あまり聞いたことが
ないかもしれませんね。
私は、某ドラマの1話1話のタイトルに
この十干がつけられていたのを見て、
てっきり「昔の数字はこう言うのかな」
なんて思ってました(笑)
この組み合わせが「甲子~癸亥」まで
60通りあって、60年でちょうど
最初の「甲子」に戻るのです。
そのため、
「最初に戻る=60歳で赤ちゃんに戻る」
ということなんですね。
赤は魔よけの色!?
古くから、赤は魔よけの色として知られています。
そのことから、赤いものを身に付け、
病気などの悪いことから自分を守り、
これからも、ますます元気に過ごせるように
と願いを込めて贈る、という意味もありますが・・・
昔は赤ちゃんは、生まれても、すぐに
亡くなってしまうことが多かったので、
厄がよってこないようにと、赤い服や
ちゃんちゃんこを着せて、赤ちゃんを
守ろうとしていました。
なので、魔よけの赤いちゃんちゃんこを
着ていたころの、赤ちゃんに戻るという
意味もあるのです。
しかし、「人生50年」といわれた時代と
較べると、今では平均寿命が大幅に伸びました。
そんな現代を生きる60歳の方々は、
隠居どころか、まだまだ現役として
働いておられる方が、たくさんいらっしゃいます。
かく言う私の父もそうです。
それは、そんな年になっても
「任せられる仕事がある」という、
その人が、社会で長年積み重ねてきたものが
あってこそだとは思いますが、
本人も会社も「お年寄り」というより
「熟年の労働者」という意識が
高くなったからなのではないかと思います。
そのため、現在では、お祝いにいろんな人を
呼んで、ちゃんちゃんこを着せて盛大に・・・
という大それた感じよりも、親しい
身内だけ呼んで、誕生日よりちょっとだけ
華やかにして、軽くお祝いをするような感じが多いようです。
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